Dracula Millennium…
Forever in the Dark
2010年06月16日
TOWNSさんの掲載許可を頂き掲載
初公開2000年09月@The Strange Theater
Dracula Millennium…Dracula Millennium IIDracula MillenniumIIIDracula Millennium Ⅳ序章
時は15世紀、西暦1462年のルーマニア・・・
巷では錬金術や魔術と言った超常科学が最盛期を迎え、様々な研究が活発に行われた時代
カルパチア山脈中心部のブラショフに、中世貴族王朝時代に建造された美しい城があった
その城は、ブラン山頂に建っている事から、ブラン城と呼ばれており、その気品さを感じさせる大きく優雅な姿は見るものを圧巻する
しかし、実はその外見の美しさとは裏腹に、城の中では狂気的な儀式が行われていると言う噂があった
そこには、城主がその財力と権力に物を言わせて集めた若い女性達が多数監禁され、ある者は皮を剥がれ、またある者は血を抜かれ
またある者は使途不明の薬物によって犯されるなど、まさに悪魔の所業とも言える地獄絵図が展開されていたと言われている
その話も、当時の城主であるワラキア公ブラド・ツェペシュ伯爵が、片時も離さずに所有していた旧約書の存在があった
そして、その文献には、異世界より伝わる数々の魔の儀式の方法が記されていると言われており
更に、普段使わないような、数多くの怪しげな物がブラド伯爵の命によって城に運び込まれたと言う話もある
しかも、それらの噂と時を同じくして、巷では若い女性の謎の失踪事件が相次いでいた
それに、数人の目撃者の証言では、その失踪した女性らしき人物が城の方へ連れられて行くのが数回目撃されているのだ
だが、当時の警察の徹底した調査に関わらず、城の内部でその真相を裏付けする様な物は何も発見されず、結局事件は迷宮入りとなり
全ては時代の闇へと葬られてしまう形となったのである
それから5世紀という長い時が流れ、時代は千年期の変わり目を迎えていた
そんな年の夏、この古城へと一人の日本人男性が訪れた
彼の名は「田村亮一」、年齢23歳
見た目は大人しそうな普通の青年だが、実は大学の院生コースに通っている学生で、考古学を専攻している学者の卵だ
彼が此処に来た理由も、自分の研究論文を書くための資料集めと言ったところなのだが
教授からのアドバイスで、歴史的に神秘性が高く、数多くの神話逸話を残しているこの場所を強く薦められたからでもある
そしてこの物語は、彼がこのブラン城前へとやって来たところから始まる
TOWNSさん(文)・
W・Qさん(イラスト)