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  04 ,2024

BranchTime's INDEX

BranchTimeに寄稿いただいたTSF小説・マンガ・イラスト

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彼女に頼まれて安請け合い - k27(完)

2011/07/30 後編追加いたしました(完)
2011/07/04 (Mon) 22:11:13

1

 “一生のお願い”。この言葉に俺はどうも弱い。特に助けを求める女の言葉には。
 何か念がこもっている。と言うか、未知的な力と言うか、反作用と言うか、あ~! 自分で言っていて訳が分からん!
 とにかく、事の発端は俺ん家で起こった。

 俺は中学生の頃から毎日欠かさずに買っていた、“ある物”を自宅で整理整頓している最中だった。
 その“ある物”とは、高校生活を彩るに必須のバイブル――エロ本のことだ。
 秘蔵のエロ本コレクションを押入れやベッドの下から取り出して、たまたま見ていた時。唯一無二の安らぎ空間に彼女が無断で侵入。ドタバタと裸足で乗り込んできたんだ。某アニメで登場する、メガネを掛けた少年が未来から来たネコ型ロボを頼るみたくね。
 慌てて隠そうとする俺こと最上川恭介(もがみがわ きょうすけ)、18歳、今年の春、卒業。――ある意味で人生もか。
 瞬時に大量のエロ本は隠せたが、流石にゴミ箱一杯の使用済みティッシュは隠せなかった(盲点だった。忘れていた)。手も頭も廻らず、非常に焦る俺としては、かなり気まずかった。がッ!
「透ぅ! 一生のお願いっ!」と言われた時、彼女はアレの痕跡に全く気づいていなかったのだ。ついでに俺のアソコの状態にも。よっしゃラッキー。と思ったのも束の間。
 目と鼻の先まで、彼女が正座でスライディングし、目を瞑って頼のみこんできた。ドキっと再び焦る俺。しっとり汗ばんだ額が俺に近寄る。フローラルな良い匂いもついでに。
 彼女が非常識なのは、重々承知。俺も充分、股間が非常識なのかも知れないけど。この際、ゴミ箱の隅にでも置いとこう。
 とりあえず、何度も色・即・虚・空・空・即・是・色。と煩悩よ去れ。頭をカラッポに。静まれ俺のピンクの象よ。と脳内を空白で埋めながら、カタコト早口で彼女に返答していた。
 自分では極自然(不自然)に、気づかぬ程度に彼女から離れて動き、とある不審物を誤魔化しながら。

「ななな、何だよ、急に。宮野川(みやのがわ)、お前なあ。ッたく、俺の家に黙って上がり込んでからに。と、とにかくだな、訳を話してみろよっ。俺だってほら、相談に乗りたいにしろ、状況が一切掴めやしないだろ?」
「う、う……ん。じ、実は――うう……」
「何でいきなり泣くんだよ。俺、何かしたかぁ!?」
「うえ、えぐ、……実は」

 涙ぐむ彼女から事情を聞いてみるとまずは驚いてしまう。
 一昨日、校内で親友に突然「自分は女の子が好きなのっ~~~」と爆弾発言を聞かされ、半ば放心状態に陥った宮野川は、何も言えずに「あう、あう」と魂が抜け切ったような放心状態になり、一方的な相手のペースのまま、試合は進行。
 そして何故か、一日デートを引き受けてしまった。と言うことらしい。
 バカじゃねぇか! お前ウルトラバカじゃネェか! と我を忘れて二度彼女を罵ってしまった俺です。

「ゴ、ゴメン。だ、だって、囁いていた筈なのに……急に耳元で叫ぶんだものっ! しょうがないでしょっ!」
「逆切れかよ。そ、そんなに怒るなよ。俺も言い過ぎたから、悪かったって。でも、その彼女から何らかの兆候とか感じられなかったのか?」
「兆候? え~とレズっ気?」

 おい、不思議そうに首を傾げるなよ。解っている癖によォ。マジで鬱陶しいから。チッ――別にお前のことなんか、可愛くなんかないよ、全然。
 ――とは言っても、内巻きショートのパッツンボブに煌くように大きな瞳、スッキリした鼻筋、蕩けそうなピンクの唇は反則だろ……瞠(みは)ってしまうじゃないか。

「そ、そうだな」
「ん~、別に普通だったよ。授業中に耳朶を舐めたり、急に笑って息吹きかけたり、「バンパイアですよ~」カプッって、チューチューとか吸い付いて甘く首筋とか咬んできたりはしたけど。後っ、時たまにキスとかも」
「それ、普通じゃねぇーから。どう見ても変態じゃね、彼女。つーか、お前何時から狙われてんの。自覚無いのマジで。俺、お前が怖いわ」
「当たり前でしょ。バンパイアはそもそも架空のフィクションだから」
「そのことを言ってねーよ。なんだそのボケは」

 ――とまあ、彼女との会話はキリがないので、ここらで割愛させてもらうとして、結論を言うと身代わりを頼まれました。えー身代わりですとも、それこそ、首を傾げてWhy? となってしまうところです。
 いやいや、無理だろっ! の一言に尽きますね。体格の問題、異性の問題、姿形の問題、etc。
 百歩譲って体格は、俺も自分で言うのも木っ端恥ずかしいが、痩せています。身体測定の結果、平均的に痩せ型に分類されるでしょうね、俺は。身長だって彼女とは差ほど高くないですしね。後ろでパッと見、女の子に見えなくも無いかな?
 でも、異性の問題や姿形と言う骨格は流石に無理です。基本的に男ですから、俺はね。ネットとかでアソコを折り曲げて尻の穴にしまう方法なんて書かれていますが、駄目です、痛いです、無茶です、使い物にならなくなったしまうわッ。
 俺の姿形は、もう言うまでも無く残念なくらいキモいですよ、ハハハッ――HAHAHA。
 ほら、文化祭や祭りやイベントで女装する人っているじゃないですか。自分、男性ホルモン半端ないから、化粧しようが何しようが、犯罪レベルだと熟知しています。 
 この時点で、当然、断るつもりでした。が、やられました。知らない内に自分「良いよ、別に」って軽いノリでOKしていましたよ。
 理由は多分に、彼女の特異な技の所為だと思います。
 後の空白の時間。意識が無いのが何よりの証拠だったんです。

 2

 ――デート当日、宮野川宅にて。

 何回もパチン、と指を鳴らす音が初めは遠くで聞こえる。徐々に近づき、インクをぶちまけたような目前のぼやけていた景色が跡形も無く消える。と俺の意識はようやくハッキリと活発化した。
 天へ向けて欠伸をし腕を伸ばす。随分眠っていたような気分だ。熟睡していたのか眠気が一切感じられない。何とも言えぬ開放感、あ~清々しい。ウヘヘッ、股間のアイツも元気に勃起してらぁ~…………って、オイッ何で俺は裸なんだ? 服が無いんだけどッ!

「あ、やっと起きたね。ハイ、コーヒー」

 俺の心を掻き乱す……いや、和ませるような素敵な笑みを浮かべた宮野川は、熱々の湯気が立ち昇るコーヒーを俺に手渡してきた。

「サンキュ……てマジで言うと思ったか? 何で俺は裸なんだよ!? 出来るだけ簡潔に説明しろ?」
「脱がしたいから脱がしましたっ、テヘヘっ」
「はい、説明になってません。そして笑うな。それじゃまるで欲望に負けた人のセリフだからね。一番駄目な言い訳だから、それ」
「じゃ、脱がしたいッ!」
「ちょっと待て、コラっ! 簡潔は簡潔だけど、今度は意味が分からんから、つーか、これ以上俺に何を脱げと?」

 宮野川は何かを期待するような眼差しで俺に、にじり寄って来る。「うふふふッ……」とエコーを利かせて。
 彼女が俺の股間に手をやろうとした時、持っていたコーヒーを零してしまった。ウァアジャァァァっ! ……ン? ンン!? アレ何ともないぞ?
 確かにコーヒーは股間の勃起したアイツに掛かった筈なのに、まるで無傷であった。火傷一つしていない。そればかりか全く熱くないぞ。お、俺のムスコは鋼鉄無比の最強だったのか!? と、妄想を抱きそうになると、

「えいっ、ヤァッ、トォゥ!」

 突如、ヒーローアニメの主人公的な掛け声を発した宮野川。ブチッ、と雑草を引き抜くような擬音がした。
 すると彼女の右手には通常有ってはならないモノが握られている。放送禁止用語全開のアレだ。色んな意味で。
 俺は『あはは、あれは夢、あれは幻だと』確認するように目を擦り現実逃避しようと試みるが、

「チ○コ、ゲットぉ! フっワ~~オぅ、イエィ!」

 何故かノリノリである。俺のアソコをエクスカリバー(聖剣)引き抜いたみたく高々と掲げちゃって……そりゃ、直視するしかねぇーだろっ! 頼むから振るな、回すな、投げるなっ! スーパーボールじゃありませんからっ!
 俺は白め剥き出しの失神寸前である。 

「…………」
「な~んてね、冗談だよ、あ、大丈夫?」
「お、お、お前なぁぁぁッ! やって良い冗談と悪い冗談があるんだよッ! つーか、俺のコレ、どうなっているの!?」

 自分の股間を真っ先に指差して詰寄る俺。股間にはアレが無くなった変わりに、お、おお、女のアレがぁぁっ!? アワワッわぁぁぁぁッ! NOォォォォ! Clitoris……ゥゥゥ。と驚愕の面持ちを瞬時に体現してしまったようだ。
「特殊メイクですっ!」と鼻息をフンと出し、腰に手を当て自信満々で言った。

 ここまでの成り行きを俺風に文章のように要約すると、
 
 ・俺は魔法に掛けられたのではなく、まんまと彼女の暗示に掛けられてしまっていたのだっ!
 ・彼女曰く、「通信教育で覚えたよっ」とのことだ。どこの通信教育ですかー!? と訊いてみたが返事がない、笑いながらシカトです。
 ・そして俺は、更に全身の皮を剥がされた。悪代官に弄ばれる生娘のように。それはもう、満遍なく、満遍なく、丁寧に、時には雑に。なじられ、嬲られ、塗りたくられ? トロトロ? ト○ロ× トロロ?

 ――何時の間にか俺は――胸には乳白色の丘が形成され、臀部はラインを引いたように滑らかに、腰はしなやかに括れ――俺の逞しかったボディが無駄毛のないスベスベボディになってしまった。
 これは、もしや!?

「アタシの体だよ~ん。実は眠っている隙にモロモロ着せていましたっ。どう、吃驚した?」
「お、お前、俺は男だぞ。幾らなんでも節操無さすぎだろ、オイッ!」
「それじゃ、一生心が自由にならないよっ!」
「ちょ、ちょっと待て! 絶対に言っている意味がなんか違う気がする。正論ぽいこと言っている感じもするが、いやいや違うだろ、それ!」

 とまた彼女と無駄に一悶着する訳だが、結局のところ――俺は宮野川静音(みやのがわ しずね)の代役としてデートする破目になったと言う訳なのだが、

「無理ですっ。自信が無いです。神様お助けを~」と鏡の前で項垂れていた。
「大丈夫っ! 要は自分がアタシだと思えば良いんだから……うん、大丈夫っ」

 と舌をぺろりと出してグーサインを俺に送った。顔は至って真面目そうだが、適当っぽい印象を受けるのは気の所為だろうか?

「それに、こうやって鏡の前で全裸で立たされると自然と鼻血が……あうっ」

 例え、自分だと知っていても姿は異性の宮野川である。鏡には胸と股間を恥ずかしげに手で隠しながら、鼻血を垂れ流した宮野川。と、その後ろで、にこやかな笑みを浮かべて立つ、服を着た宮野川の、二人の宮野川が同時に存在している。ちなみに鼻血を出しているのが俺である。
 うへぇ~、見れば見るほど意識してしまうよな。湿ってしまう逆三角形の茂みやら、小さな菱形のおへそやら、円形の柔和な乳房やら――顔に至ってはケシカラン、過・ぎ・るゥ! ぶはぁ!
 鼻血が噴射された。光の放物線を描く勢いで。

(マジで目がクラクラするぅ~。このままじゃ、出血多量で死んじまうぞ、俺ぇッ!)

 目の前の景色がグルグルと螺旋状の渦巻きを描いている。ふわりふわりと天にも昇りそうになるほど気持ちが晴やかに落ち着いてしまう。
 後頭部に緩い痛みが奔る。どうやら俺は床に頭を打ち付けたようだ。 
 意識が遠のき、何処からか声が聞こえてくる。男の声だ。「――なりたい」――聞き覚えのある声。段々と俺の側まで近づいてくる。

「宮野川静音に――――――――」

「宮野川静音に俺は――――――」

「宮野川静音に俺はなりたいッ!」

 と頭の中で喧騒が雷鳴のような音を立てて弾けた瞬間であった。
 そして嘘のように無音と化していた。
 また声が聞こえる。今度は女の声だ。この声も聞き覚えがあった。「アタシは――」とやはり近づいてくる。霊水のように、湧き水のように、何処までも透き通った淡い声。「――宮野川静音」
 
「アタシは宮野川静音」と無意識に口ずさんでいた。自分の体に言葉が憑依したような。自分が別の型に嵌った――奇妙な当惑を感じる。自分が自分でないような。俺はアタシだったような――。アタシって宮野川静音だよね?

 目を開けるとジャンパーとジーンズを着た短髪の男の子が目前にいる――最上川恭介くん。アタシの同級生で大親友の愛称は恭チャン。
 恭チャンはアタシの手を取りゆっくりと起こした。

「急に寝てしまうから、吃驚したんだぞっ! ――宮野川」
「えっ!? アタシ、恭チャンがいるのに寝ちゃったの!?」
「お、おう! それも相変わらずの馬鹿面下げてグッスリだもんな、参っちまうぜ」

 恭チャンはモジモジと顔を赤らめながら話した。何故かな? アタシと目を合わせないようにしているようだけど。もしかして今頃アタシの魅力に気づいたのかしら。キャハッ!

「そんなことより、予行練習するんだろ?」
「へっ? 何の?」
「ったく、相変わらずお惚けだな、お前は。俺はお前から、“親友と明日、初デートするから一日だけ練習付き合って”って昨晩電話で呼ばれたものだから、仕方なしに来たんじゃないかよ」

 ん~、そんな約束した覚えないけどな~。アタシの物忘れかな。と腕を組み眉間に皺を寄せて悩んだ。

「馬鹿! 無い脳みそ使って考えようとするなよ。余計ややこしくなるぞ!」
「それって、酷くない?」と言うか、何だろう? 今――恭チャン、何だか焦らなかった? 気の所為かしら?

「じゃあ早速始めようか?」
「え、何を?」
「そりゃ、レッスンに決まっているだろ」
「キャッ……うむン……ちゅぅ」

 アタシは短い悲鳴を上げたが一瞬のことだった。恭チャンの爛れた唇で塞がれてしまったからだ。
 押し倒されたお陰で抵抗できない。ああ、凄い力。男の子ってこんなにも力が強いんだ。それに、こんなにも手が分厚くて暖かいんだ。

「……ん……むぅ……ちゅ、っ」

 まだ吸い付いてくる。唇を抉じ開けてアタシの舌に触ってきた。濡れ火照った恭チャンのベロがアタシの口内を奥深くまで犯す。唾液と唾液が交尾しているよう。糸を数多に引いては切れての繰り返し。

「ぷはっ、ヘヘっ、宮野川、お前のアソコビショビショじゃないかよ。どうしたんだよっ?」
「えっ!?」

 アタシは虚ろな眼で自分の下腹部を見ようと試みるが、恭チャンの手が邪魔で見えない。
「代わりに」と微笑み、アタシの思考を読み取ったかのように、恭チャンはアタシの股座を探った。ショーツへ向けて、熱帯びた指先を一本、二本と差込んでくる。はゥっ!? 何か入ってくりゅ。クチュクチュと股間から、いやらしい音が聞こえてきた。
 溝に沿って恭チャンの指が絢爛な色を携えて戻ってくる。ぬらぬらとアタシを魅了させた。人差し指と中指は透明な液で濡れそぼっていたのだ。
 アタシの顔一面はハイビスカスが咲き誇ったかのような羞恥色に染まる。
 耳元で恭チャンが息を吹きながら囁く。
 
「ホント淫乱だな、お前って……今まで気づかなかったよっ」

 い、言わないでぇっ! って言おうとしたがアタシの唇はザラザラした何かで塞がれていた。見ると彼の指先だったようだ。
 至極優しげな表情で彼は言う。

「何も言わなくても良いよ。前から好きだと分かっていたからねっ」

 アタシは「あ、あ、あぁ……」と嬉しくて、泣きながら、憂いと恥辱に塗れた表情を前面に押し出していた。 
 恭チャンの手は再びアタシの股間にグイッと差し込まれ、更には服の隙間からブラを通り抜け、胸や乳首の先端を空いた手で、同時に揉んだり、弾いたり、刺激し始めたのだ。愛撫してくれているのね、嬉しい。

「あはっ、あひゃン、うあ……」

 交互に来る快感に善がりながらアタシは口元から涎を垂れ流していた。それも諾々と。

「さて、これからが本チャンだよ。よ~いは良いね」

 恭チャンはアタシを押し倒したまま腰を素早く反転させた。ちょうど69(シックスナイン)の体位だ。
 彼はジーンズのベルトを緩めると、ファスナーから猛々しいチ○コを取り出して無理やりアタシの口へ咥えさせる。

「フムゥゥゥゥ!?」 

 突然のことでやや戸惑ったけど、いや、かなりかな。恭チャンの大きめなチ○コはアタシの喉の奥を反復させて突付いてきた。内側でジュリジュリと擦れたような音が篭った。アタシの顔をもしゃもしゃとした固めの毛が這って周る。
 亀頭から汁が先走ったのか、ゴムのような変わった味が口一杯に広がった。不思議と美味しい。飲んだことなんて一度もないけど、何だか幸福感を感じている。もしかしてアタシ、しゃぶっている最中でも恋しちゃってる!? ひゃぇ! アタシの股間からピチャピチャと言う雨滴が漏れ出し、突き刺すような刺激が一本化しつつある。彼の舌技のお陰のようだ。

「さぁ、そろそろだな」 

 また彼はアタシの上で手早く回るように体位を組み替える。アタシの体を裏返したところで、後背位(バック)にし彼は突き入れた。
 寝ながらでもアタシの体は思わず仰け反ってしまう。ピストン運動全開で彼はアタシを満足させようと試みているようだ。
 だが、お世辞にも大して気持ち良いとは思えなかった。でも心情的には心地よく感じられた気がする。やっぱり恋しているのかしら、はぁ~。
 アタシは彼に気を使うように何度も「いあっ、らめぇ~」と甘えるように喘ぎ声を上げた。 

 このあともアタシ達は特訓を続けた。体位を変え、正上位、側位、騎乗位、座位、後背位、寝バックなど、有りあらゆることを試してみる。
 流石に身体がへとへとである。互いに賛美な悲鳴を上げたのだ。
 恭チャンは全身に汗や精液、愛液を付着させながら言った。

「ふぃ~、よしっ、これならバッチリだな。明日は本番だ、気合入れていけよ!」
「うん! あ、有難う。恭チャン」

 アタシは彼に最高の笑顔を見せる。と最後に唇と身体をハグし合った。
 玄関まで見送り、恭チャンは真っ直ぐ家路へと帰っていく。名残惜しいが仕方が無い。
 アタシは乱れた服を調え鏡の前で溜息を吐いている。目や頬がほんのりと充血していた。まだ興奮が冷めていない。
 自然と手が動いて自慰をし始めていた。恭チャンのことを念頭で思い耽ながら。

(恭チャン……恭チャン……もっと、アタシにかまって下さい)と。

 シャツを捲り立派な乳房を出し、恭チャンを感じながら割れ目と合わせて弄くった。甘い吐息を何度も漏らしながら。
 アタシはイった! もう彼なしでは生きられない身体に成りつつあるのかもしれない。


 明日は例の彼女とデートする前にキッパリ断ろう。で――恭チャンに告白しなくちゃ、うん! と拳を握り締め決意する。



……とりあえず続くのかな? 


彼女に頼まれて安請け合い2 - k27

2011/07/24 (Sun) 14:06:47

3
 ――本当のデート当日

 朝になり、アタシは約束の地、ヴァルハラへと向かおうとした。準備万端で盛装を整えて、服装――OK、歯磨き――OK、お化粧――OKな具合に。と言うかこんなに張り切る必要性はないのだが、“親しき中にも礼儀あり”って言うからね。
 この日のアタシは、薄手のワンピにプリーツスカートと言うナチュラルテイストスタイルでデートに望んだ。首にはペンダント型のお守りネックレス。ショルダーバッグを肩にかけて。
 ちなみに服装からアクセサリーなどの小物類は殆ど恭チャンが選んでくれたんだ。感謝、感謝ですっ。
 アタシは家を出て徒歩で歩くと駅へ向かった。駅から電車に乗り15分のところに喫茶ヴァルハラがある。待ち合わせ場所は町で唯一雑誌掲載されたことのあるデートスポット。数少ない名所の一つだった。
 店の中はムードがあり、蓄音機から流れる洋楽がお洒落な空間を演出している。ソファにテーブルと側には観葉植物やクーラーが効いて目にも肌にも涼しげだった。
 私は肩にバックをぶら下げて闊歩して向かう。空いている席へと。
 断るんだ。絶対に断るんだ。と何度も脳内で彼女との一連の遣り取りを妄想(シュミレーション)しながら空いている席に着こうとしたのだが、

「ウゲッ!?」

 口をはしたなく開けたアタシは、テーブルにニコヤカと頬杖を着いている一人の男性と目線が合って驚いてしまう。
 男性は深々とハンチング帽を被り、風予防の99%シャットアウトマスクをしている。時折、乾いた堰をしていた。が特筆すべき点はそこではない。
 彼だった。愛しの最上川恭介くんである。もしかして、心配して着いて来てくれたのね。とぬか喜びした矢先に、

「アイスティ、一つ。後、ボンゴレとロコモコね。デザートはパフェで!」
「かしこまりましたっ」

 恭チャンはウェイトレスからメニュー表を貰い、指先を一本立てて笑顔で注文していた。嫌がらせのように何度も呼んではウエイトレスさんにちょっかいを掛けている。にやにやとウェイトレスさんとのトークを楽しんでいるかのようだ。
 遠くで見ていると何だか無性に腹が立つ。直ぐにでも側に駆け寄りたい。クー、アタシと言う恋人がいながら鼻の下なんか伸ばしちゃって、もう! 恭チャンったら! いやらしいんだっ! ――あれ? そう言えば恋人? 恭チャンとアタシって恋人だっけ? 
 いけないっ! 昨日、電話で恭チャンが言っていたっけ。「お前は極度に興奮すると記憶が飛ぶことがある」って。
 え~と、こんな時は、ん~、ん~、と唸りながら恭チャンが昨日教えてくれたお呪いを思い出す。

「――宮野川、最近お前は極端に物忘れが多いからな、俺が良いものをやるよ」
「えっ? なに? プレゼント? もしかして持ってきてくれるの? 恭チャン、勿体つけないで早く教えてよっ」
「ハハッ、実はすでにお前ん家に予め置いといたんだっ。ジャ、ジャーン! とまあ、机の引き出しの中を見てくれよ」

 何だろ? と、携帯を耳に当てながら、机の引き出しを意気揚々と開けた。
 中にはプレゼント用にラッピングされた四角いケース状のモノが入っている。紐解いてゆくと、箱の中にはロケット状のペンダントが大切に収められていた。
 携帯の向こうから恭チャンの嬉しげな声が聞こえてくる。ハァ、彼の声ってどうして素敵に感じるんだろ、と思わず吐息まで漏れてしまう。

「どうだい? 気に入ったかい? なら、付けてごらんよ。きっと似合うからさ」
「うん」と返事をしてから、アタシはペンダントを首へ潜らせて身に付けた。

「アリガト、恭チャン!」
「いや、別に礼を言われることはしていないよ。実はそのペンダントさ、ロケット部を開けるとアロマの匂いがするんだ。嗅いでみると気持ちが落ち着くから、もし記憶が飛びそうになったら使うと良いよ――」

 ――彼との一連のやり取りを思い出し、「良し」と決心するようにアタシはロケットの蓋を開けた。
 蓋を開けると真っ先に鼻腔へと爽やかな柑橘系の香りが漂い通り抜けてゆく。ふわふわふわふわ、と雲の中や上を歩いているみたい。
 アタシは目一杯、肺へ落とすように吸い込むと、幻想の流れ星が目前に現れた。欠けた記憶のピースが合致し瞬時に蘇ったのだ。リラックス成功! 流石はアロマ! 効き目抜群! とアタシは恭チャンにグーサインを送る。
 しかし無視する恭チャン。メニュー表と仕事に励むウェイトレスを見ながら。アタシの視線に気付かない振りなんかしちゃって、本当にシャイなんだから、ウフフッ。と笑っていると、

「お待たせっ! やっぱり来てくれたんだね。アリガトウ、宮野川さん」

 何処までも屈託ない真っ直ぐな笑みを浮かべた美少女――汐見柚奈(しおみ ゆな)が悠々とした様子で歩いてきた。
 爛々と輝くリップに似合った輪郭の整いようは、例え女性であっても嫉妬してしまう。腰の辺りまで伸びた艶やかな黒髪、切れ長の二重瞼、濃密で濃厚な唇、引き締まったヒップにボディライン。どれもが彼女を一流たる存在感を露にしている。アタシにとって彼女は一つ上の“理想”と言えるだろうか。
 服装や着こなしなんかもお洒落でアタシはドキっと見惚れてしまいそうになる。可憐なビジュアルに合ったスクエアネックのチュニックにジーンズと大人の残り香が歩いた後から匂ってきそうな感じの服装であった。
 やばい……アタシ、同性なのに何でドキドキしているんだろ。ジッと見ていると、変になっちゃいそうだよ。   
 挨拶を交わし、アタシは顔を下向きにしながら彼女と話す。

「し、汐見さん。よ、よくこの席にアタシがいると分かったね……」
「え? いや、だって、店員さんに訊ねたら、直ぐ分かることだから。何も特別なことなんてしていよ」
「そ、そうだよね。アハハっ」

 内心、彼女が来なければ良いのに、と思っていた。がここに来てから気持ちが揺れている。恭チャンと汐見さんを天秤に掛けているように。僅かながらアタシの心が彼女側に傾いていた。い、いけない! 恭チャンが近くで見ているって言うのにっ、アタシったら。
 俯きながら、頬を赤くして悶えていると、彼女は目前に座る。

「緊張……じゃないよね。もしかして、アタシ、歓迎されていないのかな……って。無理やりだったから、デート。ゴメンね」
「う、ううん。正直嬉しかったよ。汐見さんにデート、申し込まれたとき……」

 断るための言葉が中々出てこない。口を開けているが、上手く声を出せない。舌が口内で絡まって滑らない感じ。
 「――でも、ゴメンね!」と言おうとは考えてはいたが、アタシの思考が数分間停止している間に。

「アリガトウ、大好きっ!」
「えっ……!?」

 アタシのちょっと高めの鼻先には、擽るような彼女のしなやかな髪の毛が振り掛かっていた。大胆にも目前のテーブルに自らの豊満で張りのある胸を、乗り上げるように抱きついてきたのだ。
 優しく包むように両頬に手をあてがわれ、ほど良く唇を奪われた。鼻と鼻が弾んで潰れるように衝突、額と額がぶつかっている。
 チュ、チュ、チュウ!? 唇が吸われ唾液が入り込む。「ふぅぅ……むちゅっ……」と何も出来ずアタシは彼女の身に任せていた。周囲の視線があるにせよ、気にしていない。汐見さんの瞳は美しくライトアップされている。いや、アタシ……汐見さんのこと、本気で好きになっちゃいそう。恭チャンだって見ているのに。
 ちらりと恭チャンが座っている禁煙席を見たが案の定、彼はアタシ達を凝視している。マスクから浮くように見える唇がニヤニヤと微笑して。
 彼女がアタシの拘束を解くように離れると言う。

「ゴメンね。アタシ……宮野川さんの前だとつい素になっちゃうの。その――好きだから……」

 瞳と同じように顔を真っ赤に充血させている。二人がアタシを見ている。彼と彼女。アタシは……どうしたら?
 呆然と店のファンの回る天井を見ていると

「ねぇ、そろそろ名前で、静音って呼んでも良い? その代わりアタシのことは柚奈って呼んでも良いよ」
「あ……え……良い、よ」

 ……って、何を言っているんだっ!? アタシはっ! 断るんじゃなかったのかっ。流されすぎだろっ! ん……また、違和感が……何だか前に経験……う~ん、懐かしいような、変だな自分が自分でないような、アタシは……俺?
 心配する眼差しがアタシの顔を覗き込んできた。

「上の空だったけど、どうしたの? 大丈夫?」
「だ、大丈夫、少し眩暈がしただけだから」
「本当に、本当?」

 息を吐くたびに匂うシトラスな香り。彼女は甘えるような声と視線でアタシを惑わす。止めてくれ、君にこれ以上見られるとアタシは……、

「ちょ、ちょっとゴメン。お手洗いに……」
「え?」

 アタシは席を立ち上がり、店のトイレに駆け込んだ。駆け込むと個室に入り座して頭を抱える。

「どうしたんだろ!? 自分が自分でない訳ないじゃないか! 変だぞ、アタシ! そ、そうだ! ペンダント……」

 アタシはおぼつかない手つきでペンダントの蓋を開けようとした時、コンコンと何度も扉をノックされた。煩いなァ、もう!

「は、入ってますっ!」
「大丈夫か?」「大丈夫なの?」
「えっ!?」

 おかしな事に二人の声が同時に聞こえた。有り得ない。女性の彼女なら十分に有り得るが、男性の彼が女子トイレに堂々と入ってくること自体有り得ないことだ。
 トイレットペーパーがアタシの手と共に引っ張られてタイルの床に落ちてゆく。
 二人の声が膨張し、何だか目前がぼやけて――、「オイっ!」と言うアタシを呼ぶ声と共に無理やり扉を誰かがこじ開けてきて――、二人の影がアタシを抱きしめて運び出すような、蜃気楼? 幻? 夢? それとも……、
 ――意識が深い洞穴へと混濁しながら落ちてゆく。真っ暗な世界が視界に広がって。


「「大丈夫?」」

 幾十二重なるような――悩ましげな声が耳元で聞こえる。ペチペチと頬を誰かに数度叩かれた。薄目を開けて目覚めるとアタシは知らない部屋にいる。ベッドを見ると、恭チャンが毛布に包まり寝息を立てていた。
「恭チャン!」と吃驚してアタシは飛び起きた。

「心配しなくても良いよ、彼は疲れて眠っているだけだから。ねえ、それよりこっちを見てよ、静・音っ!」
「えっ……汐見さん、きゃっ!」

 彼女はアタシを押し倒してきた。ベッドには恭チャンが眠っているのに、そんな……。
 汐見さんはアタシの手足を押さえ込み、四つん這いになって身体を揮(ふる)わせた。ネコが間延びをするみたく、アタシに甘えてくる。怪しく輝いた目線が何とも恍惚そうだ。
 やばっ! 見ているだけで何だかアタシ――ムラムラしてきちゃいそう。
 「ううっ……」と、だからアタシは何も出来ずに目を瞑っている。衝動に駆られそうだから。
 ちょっと、暢気に寝ている場合じゃないよ――恭ちゃんっ! お願いだから、起きてよッ! 出ないとアタシ……、

「ふふっ、どう? 興奮するでしょ? 彼氏が居る前でアタシと――キスするのはっ!」
「えっ!? ふむぅン!?」

 否定しようにも、ねっとりと絡んだ舌がアタシの口内に闖入(ちんにゅう)してきた。クチュクチュと互いの唾液が絡まり、舌の先っぽから電気が走ったかのように肉体が感化される。
 口内に縦横無尽に入り込んでは鼻腔から出る、彼女の香(かぐわ)しい息の匂い、舌から伝わる甘くフルーティな味覚、まさに夢心地な気分を満喫。ハァ~、蕩けそうだよぅ。

「あ、あ、ふぅぅっ」

 局部の奥底からジワリと汁が垂れたような気がする。快感がハイに達して、エンドルフィンが分泌され、脳内麻薬(ドーパミン)が体中をのたうって這いずり回るような、ヘビーな感覚にアタシは支配されつつあるようだ。
 気持ちいい、とっても気持ちいいィ! 恭チャンが側にいるのに、アタシは彼女に犯されている。感じちゃっている。昨日、恭チャンに言われたとおりだ。アタシは淫乱なんだ、ね、ひゃぅっ! と、アタシの身体が弓なりに仰け反った。
 スカートに差し込まれた彼女の繊細な掌は、のっぺりとしたショーツを縦になぞるように摩った。指の腹がショーツの生地に纏わりついては、グニグニと弾力のあるゴムのように押し当ててくる。
 汐見さんの妖艶な唾液塗れの唇がツゥといやらしく濡れた糸を引いて離れると、

「アタシ達の愛の賜物ねっ。うふふっ、幸せそうに涎なんか垂らしちゃって……ホント可愛い。食べちゃいたいほど、アァーン、苛めたいほどにっ」

 彼女によって、鼻っぱしを爪が伸びた人差し指でコツリと弾かれる。と、もはやアタシの視線は汐見さんに釘付けだ。
 瞳に映る彼女の姿。美々に口角が吊り上がり、悪戯模様の逆U字型をした瞳が、女たる本質、小悪魔性を最大限に発揮させて、まるでアタシを弄んでいるかのように見えた。
 
「静音チャンの秘密の場所はどんな具合かな~」と彼女の手がショーツ隙間へと差し込まれてゆく。
 アタシはグッと歯でも食いしばるように目を瞑って耐えた。いや、実際は快感に溺れていただけかも知れない。彼女が紡ぎだす指先の魔術に。
 鍵盤でも叩くかのように指先が小刻みに動き、アタシの身体の隅々まで蝕むように翻弄する。
 ジュボジュボと卑猥な音を立てながら、指が大切なところの奥深くまで捻じ込まれた。 

「何が出るかな~、何が出るかな~」と、ある昼番のワンフレーズを口ずさみながら、彼女はアタシの秘所を掻き回している。
 回される度に、乱れ身悶えするアタシを他所に彼女はアタシの股間から何かを掴み上げた。あ、アレは……、

「あふぅっ! ひゃぁん! い、いや……な、にっ!?」 
「ハイっ! こんなの出ましたぁっ!」

 目が点に成りかけた、薄ぼんやりする眼でも分かる。浅黒くそそり立つ猛々しい物体。
 男性に有って、女性に無いものって、な~に?(ヒントは“股”) と言うクイズを出題されたなら、真っ先に手を挙げて、バナナ! ――ではなく、答えはもはやこれしかない。あはっ、おち○ち○だねっ! ……って、何でアタシは嬉しそうに見詰めちゃっているんだよ!? 
 あは、あは、あははっ、女のアタシには付いてはいけない箇所に付いちゃっている訳で、例えるならRPGでの取り外し不可能な呪いの装備な訳で。放心状態な上に、付加要素は混乱。突拍子も無く「アタシの教会は一体何処だぁ!?」と意味不明なことを叫んでしまいました。

「まあ、落ち着いてよ」
「ムリムリムリムリ、ぜっ~たいムリだからっ! 何処をどう見たら落ち着けるのっ!?」
「う~ん、そうだ! こんな時はロケットの蓋を開けて嗅いでみてよ。きっと落ち着くから、さあ!」
「えっ!? でも、どうして知っているの? アタシと恭チャンだけの秘密なのに!?」
「細かいことは気にしないのっ。ほらっ、ほらっ、ほらぁっ!」
「むぐぅ!?」

 無理やり彼女はアタシの首を抱きかかえるようにしてペンダントへと誘った。またもや鼻腔を爽やかな柑橘系の香りが通り抜けて――リラックスして、変な気分に、もやもやと渦巻きが目前で回って、あ、アレェ~。何かが顔から剥がされて……え? え? アレはアタシの顔!? え、え、換わりに別の顔がアタシの顔に張り付いてくる? 何なの一体? と不安になる。
 顔に薄く伸ばすように押し当てられた為、口内に入り込んで声が出せない。篭った声は出せるが、言葉になっていないと言う意味。
 誰かに服を全て脱がされ、代わりに肌色の物体を足を持ち上げられて窮屈そうに穿かされる。両手、両足に、アタシより大きく熟した乳房が胸にぶら下がり?

「テス、テス」

 何故かアタシの声が正面から聞こえてくる。え? じゃあ、アタシは誰なの?

「うふふっ、良く聞いてね。アナタは実は、女の癖におち○ちんを股からいやらしく生やした――ド変態の汐見柚奈ちゃんだよ。今日は告白を断られ、その所為で自棄になって二人纏めて襲いに拉致監禁――って設定ね。それじゃ、スタート!」

 パチン、と目前で音が鳴る。と、目を擦り合わせ、アタシは床に突っ伏している少女を見てほくそ笑んだ。

「彼氏は眠らせたし、誰も助けに来ないよ。アタシの告白を断るからこうなるんだ。さてと、そろそろ一発抜かして貰いますかっ! 処女膜が付いた“静音”ちゃんの新鮮で綺麗なオマ○コにぃ! 一番乗りだ!」

 アタシは既に滾っているムスコ為らずムスメを、気絶している彼女のショーツを捲り上げて陰部に押し当てる。
 先っぽが触れただけで、体中が快感に痺れた。ヌルヌルとした秘所が吸い付こうと絡んできた所為である。――吸い込まれちゃう。

「うはぁっ……何これ、スゴっ! 気持ち良い……」
「ううっ……えっ? どうしてアタシ!? アハっ! 痛っ! なにっ!?」
「どうやら起きてしまったようだね」
「キャぁぁぁぁっ! アナタ……何で女の子なのにおち○ちんがあるの!?」
「さあ、ね。生まれつきだからしょうがないじゃないか。それより、君のアソコとアタシのココが生々しく連結しているよっ。合体ってこのことを言うんだね」

 わざとらしくアタシは、彼女の股間と自分の股間を魅せつけるように言った。うねるようなおち○ちんが引き締まったおま○ことキスを交わしている。序の口だが。

「いやぁぁぁぁっ! 離してよっ、どうにかしてよっ、この汚らしいおち○ちんを! 今すぐ取ってよっ!」
「そんなに嫌なら自分から抜けば良いんだよ。そうしないところを見ると君も満更じゃないねぇ~」

 意地悪そうな笑みを浮かべ、股を両手で抱えるように持ち上げては、腰を前へと突き入れる。と、彼女は「アァン」と霞むような甘い声で喘いだ。やっぱり、静音ちゃんは淫乱だな、アタシの思ったとおりだ。
 彼女の柔らかい身体を壁際に押し付け、前後運動を始めた。自然とアタシのお尻がキュっと締まる。出たり入ったりと肉壁が擦れる度に嬌声を挙げる、静音ちゃん。淫らで常軌に逸した顔立ちが何とも可愛らしい。

「うはっ! 最高だよぉ~、静音ちゃん~。蕩けちゃいそう~」
「は、は、あ、ハァ、予想以上に、スゴ、……きょ、恭、チャ、んのっ、これっ!」
「えっ?」
「あ……イ、イヤァァァァ! ヤメテぇぇぇ!」

 今のが素? 聞き間違えかな? 今、彼女、愉しんでいるように?
 例の“恭チャン”ってベッドにまだ寝ているよね? ――安心するように寝息立てているし。
 もしかしてアタシを彼氏の恭チャンだと見立てているのかな? ――だとしたら、ちょっと舐められものだね!

「えい、えいっ!」とアタシは彼女の形の良い胸を押しつぶすように腰を反復させた。壁へと身体を打ち付ける度に彼女は気持ち良さそうに善がっている。瞳からは彼女が溜め込んだ雫がアタシの頬に落ちてくる。はぁ、はぁ、ヤバっ、めちゃくちゃ可愛いわッ! 鈴音ちゃ~ん。
 切なげな吐息を漏らす彼女の潤った唇にアタシはかぶりついた。はむっ。と、下唇を甘噛みするような感じで、徐々に上へと、上唇へと自らの唇を重ねた。

「うムムゥん!? ム……ん、ウゥック」

 嫌がっていた彼女の表情が、舌を絡める毎に朗らかになってゆく。乳離れ出来ない子供が母親の乳房を吸うようなイメージに近い。
 逆にアタシの方が彼女に吸われそうだよ。彼女は空いている両手でアタシの頬を挟みこんできたのだ。自分から積極的に味わおうとしている。
 アタシは尚も腰を振り続けた。息を吐かないままに乾いた音が鳴り、幾度となくイッたが……、

「ぷはっ、う~ん、何か物足りないね?」

 と、何故か静音ちゃんが考え深い顔つきで言った。
 突然のことに「えっ!?」と混乱するアタシ。もちろん、予想だにしていない態度が返ってきたからだ。普通なら、ショックで泣き崩れるとか、怒りで錯乱してしまうとかなら、有り得る話だが、流石に疑問を投げ掛けられても困る。

「そうだっ! ネタバラシすれば意外と面白いかもっ! うん、そうしよう! ――えと、まずは、アタシを降ろしてね」
「えっ? は、はい?」

 言われるがままアタシは抱きかかえていた手を離し、ゆっくり彼女を床に降ろす。と、鈴音ちゃんは恭介くんがいまだに眠っているベッドに向かった。
 掛けてあった毛布を無造作に剥ぎ取ると、目の前に裸の恭介くんが出現する。濃い毛に覆われた股間から、根付いたようにぶら下がったおち○ちんには、全く勢いが無かった。
 思わず直視してしまうアタシは、「キャっ!?」――って悲鳴を挙げたは良いが、一体何が如何なっているの? と、新たな疑問が浮かび、アタシはそれを声に出して言おうとした時、沈黙。そして――

「ほいさァっ!」と、急に彼女が叫んだ!? 途端に、右手には恭介くんのくたびれたおち○ちんが握られて、あわわっ、あわわっ……あれ? 何か見覚えがあるような光景? これってデジャブ?
 驚いてはみたが、何処かで見た記憶があった。腑に落ちない。彼からおち○ちんを抜き取ったところにも違和感が、アレってもしかすると女性器かな? 
 アタシの考えも纏まらない内に鈴音ちゃんは更なる奇行蛮行に走った。

「ついでにチョイサァ!」
 
 彼女は瞳を爛々と輝かせて、人間の皮膚組織たる肌を剥いでゆく。トイレットペーパーを急いで引く時みたく素早く。
 手足、胴体、顔と――。ワァァァァァ、駄目だって! 猟奇犯罪になってしまうよっ。グロいのが! もう見てられないよ……えっ!? う、うぞっ!? と、両手で目を隠した。が、指の隙間から見えてしまう。
 赤黒い繊維が出てくると予想していたが、反して肌色の皮膚が表に出た。皮膚の下からまた皮膚が!? しかもあの顔、あの胸は……ア、アタシ!? アタシがあそこに居て、アタシはアタシだから、アタシがアイツでアイツがアタシ? 頭の中がぐちゃぐちゃだ。

「ふっふっふー、驚いたようだね、恭ちゃん」
「恭ちゃん!? じゃあ、アタシは……」

 そこで、アタシだった――汐見柚奈の意識は途絶えた。まやかしの景色がぐるりと暗転するような感覚で、沈んでいた俺の意識が活性する。
 汐見柚奈と言う擬似的な仮面が剥がれ落ちたのだ。

「俺は……、俺が……恭介じゃないかっ! ってことは今まで……」

 自分が宮野川や汐見さんに成りきっていたことを思い出す。ヤラレタ。赤っ恥だ。頭が沸騰するほどの恥ずかしさがドっと込み上げてきた。頭がイテェ、自分がイテェーよ。

「そうです! 全部アタシの仕業でしたっ、てへっ」

 こつりと自分の額を叩く宮野川。舌を出しておどけている。ふ、ふざけるなよッ! と、息巻くような怒りが遅れるようにやって来た。
 拳を振り上げ、顔を隠すような仕草で大魔神のような強面を咄嗟に作る。

「お、俺を都合よく利用しやがって……コノヤロぉぉぉ、みーやーのーがーわッ!」
「あははっ、でも、何だかんだ言って楽しめたでしょ?」

 図星を衝かれ言葉に詰まる俺。

「んぐ!? そりゃ、まあ、そ、そうだけど……で、でもな、あれは俺じゃない訳でだな!」
「それじゃ、今度は完全な自分の意識で愉しまない?」
「どう言うことだよ。また良からぬこと企んでるんじゃ」
「文句は言いっこ無し。まずは――新たに着替えてからね。アタシが本格的に手取り足取りと手伝うからっ」
「よ、よせっ。この――変態がっ!」
「ふふっ、ハハハハ! 最高っ! その表情がっ、と~っても好きっ!」

 剣呑な目つきをして、にじり寄る彼女の不気味な笑みと共に、またもや俺は別人の姿へと変えられてゆくのだった。

 終わらない連鎖。終わらない悪戯、そして終わらない俺たちの一風変わった関係。



 ――翌日の登校風景、仲睦まじく手を繋いで歩く俺達がいる。ま、演技ではあるが。

「お、お前、良くも、まあ、俺を平気で自分の姿に出来るよな。は、恥ずかしくねぇーのかよ!?」
「別にぃ。ホント恭介くんは鈍感だな」
「何でだよ!?」

 と言うのも、俺の姿形は学校指定のセーラー服を着込んだ内巻きショートがチャーミングな宮野川静音である訳なんだが。どうにも嬉し恥ずかしいような、居た堪れないな、俺。
 彼女は汐見柚奈の姿な訳で、傍から見れば、レズっぽく見えるよな。道行くオッサンらの視線が、妙に微笑ましいな……やっぱりか。と言うか昨日、汐見さんには悪いことしたな。ったく何も洗脳しなくても良かった気がするんだけどな。彼女に一言、持ちかければ済んだはずだと。乗るか乗らないかは別として。
 汐見さんは俺として学校に登校している。自分が本当に俺だと思い込んでいるようで、何とも不憫だ。

「ねえ、恭介くん、何考えているのっ!」
「ひっ!? 何処触ってんだよ、お前っ!」

 宮野川から予備に借りたスカート、現在、俺が着用中。彼女はスカートの中へと手を忍ばせ、俺の股間にそっと触れたのだ。屈託のない笑みを浮かべて。

「だって、アタシを無視するんだものっ。ねえ、それより、今度は誰になりたい?」

 終わり
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